アフリカ中央部に住むゴリラは、人を含めたサルの仲間(霊長類)で最も大きいが、キングコングのイメージからするとかわいいくらいのものだ。雄で身長1.6〜1.8m、体重130〜200kg。しかし昔は、ゴリラも例に漏れず非常に大きくて危険な猛獣のように考えられていた。
| アメリカの Ringling Brothers Circus で人気者だった大きな雄のゴリラ Gargantua は15人の男たちと綱引きをしたことがある。ゴリラは男たちを自分の檻のすぐ前まで引っ張ってきてしまった、しかも片手で! もっとも綱引きに参加した人間の方は皆サーカスの従業員だったことからゴリラの強さを強調するための八百長だったのではないかと疑われている。 | 野生のゴリラの家族が、下にいる虫を採るために片手で大きな石を持ち上げて脇へ放っていた。ゴリラの中には亜成獣も混じっていたが、彼らは特に力を込めているようには見えなかった。ゴリラの群が移動した後、観察していた探検家はゴリラが動かしていた石を、両手で持ち上げようとしたが、地面からわずか10cmほどしか上げられなかった(Wood, 1972)。 |
| 身長(cm) | 体重(kg) | 備 考 |
|---|---|---|
| 231 | 350 | カメルーン東部(1905)。肩幅109cm。Nature 誌に掲載された写真からはこれらの数字は大きすぎると判断されている。 |
| 213 | 325 | ウガンダ(1930)。胸囲185cm、両腕のスパン309cm。ただし未確認。 |
| 207 | − | カメルーン(1900)。身長は頭から足の指先まで測定されている。 ロスチャイルド博物館にある剥製は高さ170cm。 |
| 206 | 218 | ザイール(1932)。一般的に最大の記録とされている。 |
| 196 | − | ザイール(1948)。胸囲166cm、両手のスパン249cm。 |
| 195 | 219 | ザイール(1938)。両手のスパン269cm。 |
| 191 | − | カメルーン(1932)。両手のスパン279cm。 |
| 188 | − | コンゴ東部。胸囲152cm。 |
| 184 | 200 | ザイール。両手のスパン258cm。 |
| 183 | − | 中央アフリカ(1934)。胸囲140cm。 |
| 182 | 230(推定) | Sabini 山(1925)。 |
| 182 | 180(推定) | ザイール。 |
| 178 | 208 | ザイール(1937)。 |
| 178 | 200(推定) | ザイール(1929)。胸囲142cm。 |
| 174 | 212 | ザイール(1929)。胸囲152cm。 |
| 171 | 163 | ザイール(1923)。両腕のスパン2.4m。 |
| ゴリラは動物園では肥満する傾向にある。運動不足に加え、客からもらう餌の量もかなり多いのだろう。また太っている方がゴリラのイメージに合うと考えられていたのかもしれない。最近では太り始めるとダイエットを行う動物園が多いようだ。 |
| 体重(kg) | 身長(cm) | 動物園(没年) |
|---|---|---|
| 352? | 181 | Phil セントルイス動物園(1958)。胸囲184cm、腹囲163cm。 |
| 310 | 172 | N'gagi サンディエゴ動物園(1944)。胸囲198cm。 |
| 303 | 171 | M'Bongo サンディエゴ動物園(1942)。胸囲175cm、腹囲183cm、両腕のスパン248cm。N'gagi の双子の兄弟。 |
| 296 | − | Samson アメリカ・ミルウォーキー動物園(1981)。 |
| 285 | − | Zaak 神戸・王子動物園(計量1976)。 |
| 263 | 172 | Bobby ベルリン動物園(1935)。胸囲167cm、腹囲160cm。 |
| 257 | 182 | Bushman アメリカ Lincoln Park 動物園(1951)。 |
| 250 | 169 | Gargantua Ringling Bros サーカス(1949)。胸囲170cm。 |
| 250(推定) | − | Congo イギリス・ブリストル動物園(1968)。 |
| 237 | 171 | Guy ロンドン動物園(1978)。胸囲183cm。 |
| 215(推定) | 191 | Gargantua II Ringling Bros サーカス(1972)。胸囲156cm、腹囲146cm。 |
| 雌は雄よりずっと小さい。身長1.4m、体重72〜97kgくらいだ。動物園ではやはり肥満の傾向があり、シャラー(1963)によるとアメリカで飼われていた特に大きな雌では199kg(Ringling Bros サーカス)、158kg(ニューヨーク動物園)、151kg(シンシナティ)などがある。 |
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ゴリラが見かけとは違っておとなしい動物であることは確かだが、ジャングルでゴリラに遭遇した人間が攻撃されたことはある。このときはたいてい噛み付かれて怪我をしているが、他のメンバーがゴリラを射殺しなければ殺されてしまったかもしれない。 ゴリラが人間を殺した唯一の事件は1910年にウガンダで起こった。剥製師 Carl Akeley がゴリラを求めて訪れた際に聞いた話では、被害者の現地人は竹を切りにジャングルに入り、開けた場所で休憩していたゴリラの家族を脅かしてしまったらしい。首のない死体と、引き千切られた頭と片腕が並んで転がっているのが見つかっている。 サルが鳥をこのようにして殺すことは知られているが、ゴリラの攻撃はたいてい噛み付いたり、ひっかいたりが主で、昔の物語にあるような両手で掴んで引き裂くというような手段はとらないのだが。 |
哺乳類で泳げないのは、キリンやコウモリ、それに類人猿だとされている。シャラーはあるゴリラの家族が、槍を持った原住民に川まで追いつめられた時、幅6mほどの浅い川だったが、それ以上逃げようとはしなかったのを見ている。
1951年5月、ニューヨークの Bronx 動物園に飼われていた Makoko(203kg)という雄のゴリラが、運動場の周囲にある深さ1.8mほどの濠に落ちた時、もがくこともせずすぐに沈んでしまった。飛び込んだ飼育係が5分後にゴリラを救出したが、蘇生のためのあらゆる試みは成功しなかった。もっともゴリラも教えれば泳げるようになる。